episodo-1 詐欺師と愉快な仲間たち!?
MEMORY 2 アマトス事件簿、二十四時 (1)
前へ | 目次へ | 次へ

 貿易中継の地として栄えるアマトス市は、広大なバランゲル王国領のほぼ真ん中に位置する、商人たちの都市である。
 街は、川を挟んで南北に拡がっており。川沿いに下ると、領内唯一の港町・アルバ。内陸を街道沿いに南に進むと、王都のウォーナルに行き着く。
 またアマトスは、誰の目から見ても、ごちゃごちゃした慌ただしい町であった。
 舗装されたメインストリートや、整備された公園という、景観にこだわった造りをしている一方で、町の住宅地は建物が密集するジャンク街の様相をしていて、毎朝市が立つ時間には、それこそ戦場のような混雑を見せる。
 それでも……いや、それゆえ。アマトス市は、貴族中心の政治体制が敷かれたバランゲル王国内でも、場違いな程人々に活気のある――自由な街であった。
 なにしろ、白昼堂々町中をラムバーダン人が闊歩していても平気なのだ。どれくらい貴族の影響下から外れているか、容易に窺えるというものである。
 この町で勢力を誇っているのは、王族の縁者を頂きとするアマトス市議会――ではなく、実質は商業連合組合と呼ばれる商人たちの管理組織なのだ。
 絶大な資本力と人動力を持つ貿易商が幹部となって、商人たちのルールを制定しているのである――貿易都市の二つ名を持つアマトス市にとっては、商人たちのルール=街そのものの
ルールでもあった。
そして、そのユニオンでも三本の指に入る貿易商の屋敷に、彼らはいた。

「……つまり、そのなんとかという杖を捜しに、わざわざ私の屋敷まで押しかけてきたというわけですな」
 言いつつ、油断のならない目をこちらに向けてくる。でっぷり突き出た腹を、指輪やら腕輪やらがジャラジャラついた、生姜の球根のような手で摩り、さも自分には無関係という顔だ。
 その――細く嫌味ったらしい――垂れ目を、正面から見据えると、リオルは頷いた。
「ええそうです。一年ほど前に購入されたとお聞きしたんですが。レンゲルさん、あなたが今もお持ちでいらっしゃるのではないのですか?」
「さぁて。どうなんでしょうね。私は骨董品を収集するのが趣味でしてね。この一年で購入した数は、数百にもなりますよ。その中に、杖の一本、二本は混じっていたかもしれませんが、いちいち銘まで確認しませんからなあ」
 そう言って貿易商レンゲルは、鼻の下にひょろんと伸ばした似合いもしない髭を引っ張った。
「でも――」
 リオルが、端正な眉をわずかに寄せる。
「ユニオンの記録では、あなたが購入してからは市場に出回っていないとあったんですが」
 乗り出すような前屈みの体勢で、レンゲルを見つめ続けている――膝の上で握り締めた両手は、小刻みに震えていた。
(まぁ……こういう表情だけしてれば、『美形』なんだろうけど……)
 その――至極真面目な――リオルの横顔を見つつ、ノースはそんなことをぼんやり考えていた。腰を下ろし、自分の両膝に肘を立て、合わせた手の上に顎を乗っけている。あまり楽な姿勢とはいえないが、かれこれ一時間近くこのポーズをとり続けていた。
 広い応接間の中央に、どでんと置かれたテーブル。その一本彫りのテーブルを挟んで、椅子とソファーがあり――ソファーの方に、ノースはリオルと並んで腰掛けている。
 ムートン敷きのソファーは、固くもなく――かといって柔らか過ぎるわけでもなく――丁度いい具合だったが、それこそ五、六人は楽に座れそうなサイズだけに、二人並んで……というのは、彼的にはかなり妙な感じであった。自分たちはソファーに座ってるのか、それともソファーに埋まってるのか――という、どうでもいい疑問すら勝手に湧いてくる。
 床には、分厚い手縫いの絨毯に、斑熊の毛皮。壁には、いかにも名画というような静物画や抽象画。それに、趣味の悪い肖像画――モデルはレンゲルのようだが、美化しすぎである。
 どっちにしろ、部屋に自分の顔の絵を飾っている時点で、ノースの『レンゲルへの好感度』は最悪なものになっていたが……。
 そのレンゲルは、ただでさえ細い目を更に細めると、
「やれやれ、そんな話まで漏れていたとは……ユニオンの情報管理も、杜撰になったものだ」
 と、吐き捨てるように嗤った。
 女のような――甘ったるい、耳に障る声である。地声というより、太り過ぎで声帯が圧迫され声域が狭まったというところだろう。
 ともかく、その声や面と向かって話すのが嫌で、ノースはリオルだけに喋らせていた。
レンゲルの方も、悪名高い人間もどきより、家柄も展望もある貴族の方が数倍も魅力があるようで、さっきからリオルにばかり話しかけて、こっちには目もくれない。
 どのみち――今のところは、口を挿むまでの状況にはなっていなかった。
 ノースは暇を持て余しながら、手元のテーブルに置かれた見るからに高価そうなティーカップを、これまた高そうな白金製スプーンで、グルグルと掻き回した。ただ、中身は苦手なシナモンティーなので、飲む気はさらさらない。単に間を埋めるためだけの行動である。
 すでに――、
 彼らがこの応接間に通されてから、一時間。レンゲルが入ってきてから、二十分。
 そして、話が始まってから、七分半ほどの時間が過ぎようとしていた。
「しかたないですねぇ……」
 と、レンゲル。幅のある体を大きく揺すり、椅子に座り直す。籐製の椅子が、キシキシと悲鳴を上げた。
「――たしかに、以前〈アナザー・オブ・ガルーダ〉と呼ばれる銘の杖を、裏ルート経由で購入しましたよ。でも、あくまであれは私が買ったものですからねぇ……正規の取り引き証も残ってますし。それを今さら返してくれと言われても困りますなぁ」
「でも、元々はバランゲル王家が所有する――いわば国宝なんですよ!」
「だから何と?――そんなこと私には関係ありませんよ」
 レンゲルは涼しい顔。リオルの決死の力説も、何の効果もない。
「詳しい経緯など知らなかったんですから。それに、王家、王家と、しきりに仰いますがね、クーデターであっさり王権を剥奪された、落ちぶれた家系ではないですか……三年前に、財政に苦しくなって、王家の方から売りに出された――という路線の方が、よっぽど真実味がある解釈だとは思いませんかな?」
「しかし……」
 リオルは口籠った。その額には、うっすらと汗が滲んでいる――たぶん全身が冷や汗総出状態なことだろう。
(……ここまで……かな?)
 それを見て、ノースは嫌々ながらもレンゲルと話す覚悟を決めた。
 一度、深く息を吐く。そして、
「――仰いますね、レンゲル公」
 無造作に、二人の会話に割って入った。
「事情なんて関係ない……ってわりには、ずいぶんしっかりしたお憶測じゃないですか。まるで、答えをあらかじめ用意されてたように聞こえますけど?」
 ニヤリとしつつ、一応敬語を使う。なまじ言い方が丁寧なだけあって、その口調には有無を言わさぬ迫力があった。
 たまらず、ノースを無視し続けていたレンゲルも、目を剥いて視点を転じる。
「……ほほぅ、これはこれは。有名なラムバーダン人さんではないですか。てっきりリオル様の下男の方かと思っていましたよ。えぇと……お名前は……何でしたかな?」
「いやいや〜。どーせ覚える気もない御仁にお聞かせするような大層な名前じゃないですよ。それにアマトスじゃ、少なくても貴方よりはメジャーみたいですしねぇ。まさか、自分のことも知らない無警戒なお人が、ユニオンでトップをキープ出来る方とも思えないですしー」
「ぅぐっ……」
 先手必勝を狙ったつもりが、とんだカウンターパンチとなって返ってきた。
 大したことない奴だ――と遠回しに言われ、一瞬激昂しそうになったレンゲルである。
 なんとか踏み止まると、苦虫を噛み潰したような顔のまま、ハチミツ入りのシナモンティーを音を立てて啜った。
「……おっほっほ……いやぁ、噂に違わず面白い人だ。これだけの衛兵に囲まれながら、そんな余裕を保っておるとは……心底感服いたしますよ」
 そう。実際、ノースの――そしてリオルの――背後には、ズラリと強面のお兄さんたちが整列していた。リオルが尋常でなく緊張していたのはそのせいだ。おそらくこちらを牽制してるつもりなのだろうが、ハッキリ言って鬱陶しい以外何者でもない。それこそ裸婦像でも並べた方がよっほど風情がある。
「……つい先日は、私の舎弟がお世話になりましたな……ノース=ラムバーダンさん」
 レンゲルが作り笑い――一種の営業スマイル――を浮かべる。
「あなたのような方とお会いする日が来ようとは……つくづく私にはツキが向いているらしい。光栄に思いますよ」
 すごい皮肉だが、ノースはニコリともせず、興味薄に返答する。
「はいはい、どーも。悪徳貿易商の親玉さん」
「――しかし、大した余裕ですなぁ。もしかすると、あなたがたはその悪徳貿易商の屋敷から二度と生きて出られない……という可能性もゼロではないのですよ。そうはお考えにならないんですか?」
 ほくそ笑むレンゲル氏。その言葉を聞いて、リオルがギュッと目を閉じる。
「はぁ……そうだな……」
 ノースは、グルッと、リオルと後ろの七人とを見回し――あっさり頷いた。
「うん。ないよ」
「ほう……」
 レンゲルの目が、再びスゥ――と細まる。肉厚な顔のため、目が無くなったようにも見えた。
「何故、そう言い切れるのですかな?」
「だってなぁ――」
 首を傾げる。
「こんな目立つお屋敷で、しかも正面の門から堂々と入った――となれば普通は出来ないだろ。俺はともかく、片方はれっきとした貴族の跡取りだし。仮にも表では、『清く正しく』ユニオンの片棒を担ぐレンゲル公だもんなぁ。例え噂でも、立場を悪くするわけにはいかない小心者のあんたに、そんなこと出来るわけない――そうでしょう、レンゲル公?」
「わかりませんよ。なんなら今、出来るか出来ないか、試して差し上げてもよろしいのですがね……どうなさいます?」
「あ〜、別にいい。そんなことしなくても。それに、あんたも今の立場を大事にしたいだろ?だったらミョーな冒険心とか持たない方がいいと思うよ」
 ノースがそう言うと、レンゲルは――ティーカップを持ったまま――しばらく、じっと油断のない視線を彼に向けていたが、
「ほっ……ほっほほほほほ……いやぁ一本取られましたな。この私が説教されるとは。まぁ、おっしゃる通り、私もあなたがたをどうこうするつもりはありませんよ。彼らはあくまで私のガード役として置いているのですからね。あなた達さえ妙な素振りを見せなければ、危害は与えませんよ」
 と言って、カップを受け皿に戻した――すかさず部屋の隅に待機していたメイドが、空になったカップに紅茶を注ぐ。もちろん砂糖にミルク、たっぷりのハチミツも忘れていない。ついでに牛脂も入れていた。
(だ〜か〜ら〜。ンもん飲むなってぇの……気色悪い)
 とか、内心毒付いたりもしながら、
「ま。そんなことはどーでもいいとして。大富豪のあんたともあろうお方が、たかが杖一本、そんなにこだわる必要はないんじゃないですかね?」
 ノースはそう尋ね、ついでに今にも卒倒しそうな隣人の肩を、ポンポンと叩いた。
「!――ぅぁ……」
 リオルが、ビクッとして、こっちに目を向ける。その顔色は、すでに青白いを通り越して、紙のように白くなっていた。
 そんなリオルの様子を横目で窺って、レンゲル。
「そうですなぁ。私としても、あなたがたが『どうしても』と仰られるなら、意固地に拒否するつもりはありませんよ。もちろん、それ相応の代わりは頂きますがね」
 あくまで、こちらの優位に立ったような、傲慢な態度は崩さない――それを確認し、ノースは多少オーバーに感嘆の息を吐いた。
「――ほーっ。で、結局のところ、この質流れ品にいくら付けるつもりなんだい?」
 この場に不相応なほど気楽な口調で――ほとんど、近所のガレージセールで、売り子に話しかけるときのノリである――話の核心ともいうべきことをズバリ言う。外見も穏やかな表情のままで――ただ薄紫の双眸だけが、少し皮肉っぽい、企んだ笑みを浮かべていた。
 一方レンゲルは、いよいよ本格的に犯罪者的面構えになってきた。
「なぁに……たかだか二百万Gですよ。何せ直の仕入れですからねぇ。でも貴族の方にならお安いものでしょう?」
「フン――ずいぶんと足元見てくれるね。相当、仕入れ値が張ったみたいだな」
「いえいえ。ほんの六十万ほどですよ」  
「六十万ねぇ……で、それを二百万か。メチャメチャぼってるね……」
 ノースは意味深な表情で、首を傾げた。
 ちなみに『ガルダー』は、バランゲル王国領内の通貨単位である。由来はもちろん、この国で守護神として祀られている女神ガルーダで、アマトスだと並のホテルの一泊二食付き宿泊料が二百Gほどであった。つまり、単純に一万回宿泊出来るという計算になる。
 ――ともかく。レンゲルの言葉に、ニヤリとするノースであった。
「……言ったね御仁。あんた盗品と知ってて買ったんだな」
「!?」
 地雷を踏まれて、レンゲルは一瞬言葉に詰まる。それでも、つとめて冷静を装うと、苦笑いを浮かべた。
「……な、何を言いますかな。急に……私は別に……」
「あ――――いいのいいの。そういうところは、出来の悪い手下と同じだね」
 と、ノース。笑いを押し殺して、パタパタと手を振った。
「商業連合に所属する者は、五十万G以上の取引を行った場合、正式な取引記録を提出する義務がある――って、たしかユニオンじゃ絶対項目だったよなぁ。だったら、取引書にもハッキリ書いてるね。『この商品の出所はかなりヤバメです。でも趣味だからいいんです』ってね。それ見りゃ流通ルートは一目瞭然……まさか、出所知りませんでした――なーんて恥ずかしいこと、ユニオンの幹部さんが言うわけ?」
「うぐぐぐ……」
「商業連合って、口うるさい割に盗品OKなんだよな……組合長の性格なのかなー?」
「ぐぐぐ……」
「ま。これで、あんたが『善意の第三者』を主張することは出来なくなったわけだ。で、もう一回聞くけど、この盗品にいくら付ける気?」
「……うぐぐぐ。貴様……」
 追いつめられて、思わず唸るレンゲル。
 反対に、ノースは涼しい顔で、さらにレンゲルを煽った。
「そうだなぁ……何しろ元値がゼロだろ? どうせ、反バランゲル派のゲリラが、王族さんの屋敷に侵攻したどさくさで持ってきたんだろうし……あんたが手に入れるためにあれこれ裏で手を回しただろうから、買った値段だってたかが知れてるし……そうなると、やっぱり千Gで十分だろ。な? リオル?」
「は!? えぇ、はい……そうですね……???」
 いきなり振られて仰天する。リオルは、訳も分からぬまま、コクコクと頷いた。
「だろ? 千Gで十分だよなぁ――」
 と、ノース。かなり大げさに、しかも芝居がかった口調で言うと、肩を竦めて見せる。
 その上、これでもかとばかりに追い討ちをかけた。
「あと、下男呼ばわりされたのは、やっぱしちょっと頂けないよなぁ――マイナス二百な」
「…………」
「それから、暴力に訴えて話の主導権を握ろうとした――脅迫未遂適応でマイナス三百」
「…………うぐぐ……」
「あとは……あ、そうそう。ここから無事に帰れるかもけっこう怪しいし――保険でマイナス五百ってとこでしょ……あ、いつの間にかゼロになってるよ……ンじゃ、タダでOKだな」
「……き、貴様。勝手なことを……」
 気が付くと、レンゲルの顔は、怒りで血が上って土気色になっている。
「ち、ちょっと……ノースさん?」
 慌てて、リオルがノースの腕を引っ掴んだ――こそこそと、耳元で囁く。
『やばいですよ、怒らせちゃ。本当に、帰れなくなるじゃないですか……それに、お金なら僕出せますよ?』
『大馬鹿。盗られたもの取り返すのに、金払ってどうするんだよ』
 と、ノース。焦りまくってるリオルをなだめつつ――その手を振り解くと、ポソッと呟いた。
『それに、どっちにしろ今日はもう無理だよ』
『え……?』
 リオルの目が丸くなる。
『それって……どういう――』
 と――。
「……なーんてね。やめた、やめた!」
 不意に。ノースはあっけらかんとした声を上げた。立ち上がり、両手を頭の後ろに回して伸びをする。
「あ〜。やっぱ、金勘定がらみの話はくたびれるよなぁ〜」
 全く緊張感がない。
 これにはレンゲルだけでなく、衛兵や、メイド……さらにはリオルも、唖然とした。
 皆、一様にポカンと口を開いたまま、ただただ彼を見つめる。ほとんど狐に摘まれた状態で、思考は完全に停止していた――その一同を満足げに見渡すと、ノースはレンゲルに向き直った。 丁寧な仕草で一礼し、ニンマリとする。
「ま。とりあえず、この話は後日改めて――ということで……ね、レンゲル公?」
「……ふ、ふ……ふふふ……」 
 レンゲルは――怒り半分驚き半分な、奇妙な表情のまま固まっていたが――さっと、顔をいつもの福笑い調に戻すと、頭を振った。
「ほ、ほっほっほっ……いやいや。参りますな、すっかりペースに乗せられてしまいましたよ。私としたことが……さすがというべきですかな。まぁ、いいでしょう。今日のところはあなたに免じて、ここまでとさせて頂きますよ」
「了解――」
 と、ノース。頷いて、リオルを突っつく。
「ほれ。帰るぞ若旦那」
「は!? で、でも……あの――」
「いいの、いいの。とっとと立てって」
 全く状況の飲み込めていないリオルを急き立てると、金髪頭をねじ伏せお辞儀をさせる。
「じゃあ。また、そのうちお邪魔しますよ、レンゲル公」
「そのうち……ですか。いいでしょう。いつでもお待ちしておりますよ、ラムバーダンさん」
 レンゲルはそう答えると、顎を振って、目顔で衛兵に指示を出した。同時に、背後に並んでいた男たちが、サッと敬礼をして左右の壁に分かれ――そのうち一人が、恭しい態度で扉を開ける。
 扉が開くや否や。ノースはリオルの腕を掴んで、静かに――しかし素早く――廊下に出た。
「ち、ちょっと!? あの――」
 リオルが何やら言っているが、完全無視である。
 とにかく、入り組んだ廊下を――先だって案内するメイドの後をついて――黙々と歩き、
 ――五分後。
 ようやく屋敷の敷地内……つまり外門を出たところで、彼はやっとリオルの手を離した。

前へ | 目次へ | 次へ